持続可能なビジネスや地域づくりを推進するうえで欠かせない「30by30」の基礎知識から、なぜ今求められているのか、そして達成に向けた日本の具体的な手段まで分かりやすく解説します。
1. 30by30(サーティ・バイ・サーティ)とは?
30by30とは、「2030年までに、地球の陸地と海域のそれぞれ30%以上を健全な生態系として効果的に保全・保護する」という国際的な環境目標です。
2021年のG7サミットで合意されたのち、2022年12月に開催された国連の「生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)」において、2030年までの新たな世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」の主要ターゲットとして採択されました。
最大のゴールは、絶滅や劣化が進む自然環境の損失をストップし、回復軌道に乗せる「ネイチャーポジティブ(Nature Positive:自然再興)」を実現することです。
2. なぜ「30by30」が必要とされているのか?
背景には、地球規模で加速する生態系の破壊と生物種の減少への強い危機感があります。
- 生態系サービスの維持:私たちの食料・水・気候安定・防災機能などは、すべて健全な自然(生態系サービス)によって支えられています。
- 気候変動と生物多様性の相乗効果:森林や湿地を守ることは、二酸化炭素の吸収・固定を助け、地球温暖化対策にもつながります。
- 脱炭素の「次」に来る国際的潮流:ESG投資の世界では、脱炭素(カーボンニュートラル)に加え、生物多様性の保全(ネイチャーポジティブ)が企業の格付けや評価に直結するようになりました。
3. どうやって達成する?日本における鍵「保護地域」と「OECM」
公的な「国立公園」などの保護地域を広げるだけでは、30%という大きな数字の達成は困難です。そこで重要となるのが、以下の2つの組み合わせです。
| 保全の枠組み | 概要 | 具体的な場所の例 |
| 保護地域 | 国や自治体が法律に基づき指定・管理する区域 | 国立公園、鳥獣保護区、自然環境保全地域など |
| OECM | 保護地域以外の場所で、民間の取り組み等によって生物多様性が実質的に保全されている区域 | 企業所有の森林・緑地、地域の里山、神社仏閣の鎮守の森など |
日本の独自施策「自然共生サイト」
環境省では、企業や自治体、NPOが管理する民間の優良な保全地域を「自然共生サイト」として認定する制度を運用しています。認定された区域は、国のデータベースを経て国際的な「OECM」として登録され、日本の30by30目標のカウント対象となります。
4. まとめ
30by30は、公的機関だけでなく、民間企業や地域住民、自治体が一体となって自然を守る新しいパラダイムです。
自社の事業用地や所有地の自然環境を見直すことや、地域の保全活動に関わることが、そのまま地球規模の目標達成に貢献する時代を迎えています。



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