「キリン」と聞くと、まず思い浮かぶのは、長い首と長い脚、そして美しい模様ではないでしょうか。
動物園でも人気が高く、子どもから大人まで親しまれているキリンですが、実はその体には驚くほど巧妙な仕組みが隠されています。
「どうしてあんなに首が長いの?」
「キリンって、どうやって水を飲むの?」
「キリンの首の骨は何本ある?」
「キリンには種類があるの?」
そんな素朴な疑問を調べてみると、キリンは想像以上に個性的な動物だと分かります。
さらに近年は、これまで「1種類」と考えられることが多かったキリンについて、4種類の独立した種として分類する考え方がIUCNにも正式に反映されるなど、分類そのものにも大きな変化が起きています。
この記事では、キリンの基本的な生態から種類、絶滅の危機、思わず笑ってしまう意外な仕草、そして日本でキリンに会える動物園まで、まとめて紹介します。
キリンってどんな動物?基本スペックと驚きの生態

キリンは、アフリカのサハラ砂漠より南に生息する大型の草食動物です。
最大の特徴は、もちろんその高さ。
キリンは現生する陸上動物の中で最も背が高い動物として知られています。種類や個体によって差がありますが、体高は5mを超えることもあります。千葉市動物公園では、アミメキリンの体高を4~5.5mと紹介しています。
長い首なのに、首の骨は人間と同じ7個!
キリンの首を見ると、骨がたくさんつながっているように思えます。
ところが驚くことに、キリンの首の骨は7個でこれは人間を含む多くの哺乳類と同じ数です。違うのは、1つ1つの頸椎が非常に長く発達していること。
つまり、キリンは「首の骨がたくさんあるから首が長い」のではなく、少ない骨を大きく発達させることで、あの長い首を作っているのです。
キリンの心臓は超高血圧?
キリンは頭が心臓より約2mも高い位置にあります。
そのため、血液を脳まで送り届けるには大きな圧力が必要です。
札幌市円山動物園によると、キリンは非常に高い血圧を持ち、血管の弾力性や「ワンダーネット」と呼ばれる毛細血管のネットワーク、血管の弁などによって、頭を下げたときの急激な血圧変化にも対応しています。
長い首は単なる見た目の特徴ではなく、血液循環まで含めて特殊な体の仕組みが進化しているのです。
約40cmの長い舌で葉っぱを食べる
キリンは主に木の葉を食べる「葉食性」の動物です。
特に特徴的なのが、長く器用な舌にあります。
アミメキリンの舌は約40cmにもなり、枝の間に舌を伸ばして葉を絡め取るように食べます。
動物園では、キリンが舌を使って高い場所にあるエサを器用に取る姿を見ることができます。
キリンは水をあまり飲まない?
キリンは植物から水分を得ることができ、野生では水をほとんど飲まずに生活できる場合があります。
札幌市円山動物園では、キリンは植物の葉から水分を摂ることで、乾季でも必ずしも水場へ移動する必要がないと紹介されています。
ただし、まったく水を飲まないわけではありません。
水場が利用できる環境では水を飲むこともあります。
知っておきたい「キリンの種類」

「キリンは1種類じゃないの?」
そう思う人も多いでしょう。
実は現在、キリンは4種類の独立した種として扱われています。
IUCNは2025年に、これまで広く1種として扱われてきたキリンを、キタキリン・アミメキリン・マサイキリン・ミナミキリンの4種として正式に認識しました。
キリン4種の特徴
| 種類 | 主な分布 | 特徴 |
|---|---|---|
| キタキリン | 中部・西アフリカなど | 個体数が少なく、保全上特に重要 |
| アミメキリン | ケニア北部など | 網目状の美しい模様が特徴 |
| マサイキリン | ケニア・タンザニアなど | 不規則なギザギザした模様が特徴 |
| ミナミキリン | 南部アフリカ | 4種の中で最も個体数が多い |
キリン保全財団(GCF)の2025年推定では、野生の個体数は、マサイキリン約43,926頭、キタキリン約7,037頭、アミメキリン約20,901頭、ミナミキリン約68,837頭とされています。
なお、これまで動物園などで「アミメキリン」「マサイキリン」などと紹介されてきた分類と、現在の「4種」という分類には違いがあります。
これは、DNAなどを用いた研究によってキリンの系統関係が詳しく分かってきたためです。
つまり、キリンの種類は現在も研究によって見直されている分野なのです。
静かなる絶滅の危機と私たちの関わり

動物園では当たり前のように見ることができるキリンですが、野生では決して安心できる状況ではありません。
キリンは生息地の減少や分断、密猟、人間との土地利用をめぐる衝突など、さまざまな脅威にさらされています。
特に重要なのが、種類によって保全状況が大きく異なることです。
キリン保全財団の2025年データでは、野生のキリン全体で約14万頭規模の個体数が推定されていますが、キタキリンのように7,000頭程度しか確認されていない種もあります。
つまり「キリン」という一つの動物だけを見るのではなく、
どの種類のキリンなのか?
どこで暮らしているのか?
まで考えることが、保全を考えるうえで重要になっています。
私たちにできることは?
キリンを守るために、特別な活動をしなければならないわけではありません。
まずは、
- 動物園でキリンの生態や保全について学ぶ
- 野生動物の保護活動について知る
- 環境に配慮した商品を選ぶ
- 動物園や保全団体の活動を応援する
- SNSなどで正しい情報を広める
といった小さな行動から始められます。
動物園も、単に動物を見る場所ではありません。
飼育展示を通して野生動物の生態や環境問題を知る「環境教育」の場としての役割も持っています。
思わずクスッとする「ギャップ萌え」な一面
ここまで読むと、キリンは「優雅でスマートな動物」というイメージが強くなったかもしれません。
ところが、実際のキリンには思わず笑ってしまうような一面もあります。
水を飲むときは、まさかの大股開き!

キリンの体は高い位置にあるため、地面にある水を飲むときには、そのまま首を下げるだけでは大変です。
そこでキリンは、前脚を大きく左右に開くような独特の姿勢を取ります。
あの優雅なキリンが、突然かなり大胆なポーズになるため、動物園ではぜひ注目してほしいポイントです。
長い舌がとにかく器用

キリンの舌は長いだけではありません。
木の枝の間に舌を入れて、葉を絡め取るように食べることができます。
札幌市円山動物園では、キリン本来の採食行動を引き出すため、舌を上手に使わないとエサを取りにくい給餌方法も工夫されています。
動物園でキリンを見るなら、顔だけでなく口元と舌にも注目してみてください。
実は座ることもある

「キリンはいつも立っている」というイメージもありますが、キリンは座って休むことがあります。
千葉市動物公園でも、安全な環境では脚を折りたたんで座ることがあると紹介されています。
ただし、長時間ぐっすり眠るよりも、立ったまま休む姿を見る機会も多い動物です。
【おうちで癒やされる】キリンモチーフの雑貨・アイテム
「キリンは好きだけど、毎週動物園には行けない……」
そんな人には、キリンをモチーフにした雑貨を取り入れるのもおすすめです。
ここではいくつかキリン好きにはたまらないおすすめのキリングッズを紹介します。
日本でキリンを見るなら?おすすめの動物園
日本国内には、キリンを飼育・展示している動物園が数多くあります。
なかでも、キリンの生態をじっくり観察したい人におすすめなのが多摩動物公園です。
他にも、以下のような動物園でキリンを見ることができます。
- 札幌市円山動物園(北海道)
- 上野動物園(東京都)
- 盛岡市動物公園 ZOOMO(岩手県)
- 茶臼山動物園(長野県)
- 京都市動物園(京都府)
ほかにも全国各地の動物園でキリンに会うことができます。
動物園へ行く際は、事前に公式サイトで「現在の飼育状況」「展示時間」「エサやり・ガイドイベント」などを確認しておくと、より楽しめます。
まとめ:次の週末は動物園でキリンの「長い首」の秘密を観察しよう
キリンは、長い首と美しい模様を持つだけの動物ではありません。
- 首の骨は人間と同じ7個
- 頭まで血液を送るための特殊な循環システムを持つ
- 約40cmにもなる長い舌で葉を器用に食べる
- 水を飲むときには驚きのポーズを取る
そして現在では、キリンは「1種類」ではなく、キタキリン・アミメキリン・マサイキリン・ミナミキリンの4種として認識されています。
さらに、野生のキリンは生息地の減少などによる脅威にさらされており、種類によっては非常に少ない個体数しか残されていません。
動物園でキリンを見かけたら、「大きい!」「首が長い!」だけで終わらせず、
- どんな模様をしている?
- 舌をどう使っている?
- どんな姿勢で食事をしている?
- ほかのキリンとどんな関係を築いている?
そんなところにも注目してみてください。
知れば知るほど奥深いキリンの世界。
次の休日は、ぜひ動物園で本物のキリンに会いに行ってみませんか?
※キリンの分類や保全状況は研究・IUCNの更新によって変更される場合があります。また、動物園の飼育状況や展示・イベント内容も変更される場合があるため、訪問前には各施設の公式情報をご確認ください。




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