「センザンコウには何種類いるの?」
そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
センザンコウは、全身を硬いウロコで覆われた、世界でも非常に珍しい哺乳類です。
現在確認されているセンザンコウの現生種は8種。
大きく分けると、アジアに4種、アフリカに4種が生息しています。IUCN SSC Pangolin Specialist Groupも8種を認識しており、それぞれ異なる環境に適応して暮らしています。
この記事では、センザンコウ8種について、
- 名前
- 学名
- 生息地域
- 体の特徴
- 生活スタイル
- 絶滅危惧状況
を分かりやすく紹介します。
センザンコウは全部で8種類!
現在知られているセンザンコウは、以下の8種です。
| 種類 | 学名 | 主な分布 | 主な生活場所 |
|---|---|---|---|
| インドセンザンコウ | Manis crassicaudata | 南アジア | 地上 |
| ミミセンザンコウ(チャイニーズセンザンコウ) | Manis pentadactyla | 東アジア・南アジア | 地上 |
| マレーセンザンコウ | Manis javanica | 東南アジア | 樹上・地上 |
| フィリピンセンザンコウ | Manis culionensis | フィリピン | 樹上・地上 |
| シロハラセンザンコウ | Phataginus tricuspis | 中部・西部アフリカ | 樹上 |
| オナガセンザンコウ | Phataginus tetradactyla | 西部・中部アフリカ | 樹上 |
| ジャイアントセンザンコウ | Smutsia gigantea | 中部・西部アフリカ | 地上 |
| サバンナセンザンコウ | Smutsia temminckii | 東部・南部アフリカ | 地上 |
センザンコウは、アジアの4種とアフリカの4種に分けて見ると、それぞれの違いが分かりやすくなります。
アジアに生息するセンザンコウ4種
インドセンザンコウ

学名:Manis crassicaudata
インドセンザンコウは、インドを中心とした南アジアに生息するセンザンコウです。
インド、パキスタン、ネパール、スリランカなどに分布しています。
アジアに生息するセンザンコウの中でも比較的大型で、厚いウロコと太い尾が特徴です。
主に地上で生活し、夜になると活動します。
アリやシロアリを食べるため、長く伸びる舌を使って巣の中から獲物を捕まえます。
IUCNレッドリスト:絶滅危惧(EN)
ミミセンザンコウ(チャイニーズセンザンコウ)

学名:Manis pentadactyla
ミミセンザンコウは、中国を中心に、ヒマラヤ周辺などに生息するセンザンコウです。
比較的寒い地域にも適応しており、森林などで暮らしています。
地面に穴を掘って生活することが多く、アリやシロアリなどを食べます。
また、センザンコウの中でも特に絶滅リスクが高い種類の一つです。
IUCNレッドリスト:絶滅危惧IA類(CR)
密猟や違法取引、生息地の減少などが大きな脅威となっています。
マレーセンザンコウ

学名:Manis javanica
マレーセンザンコウは、東南アジアを代表するセンザンコウです。
インドネシア、マレーシア、タイ、カンボジア、ベトナムなどに分布しています。
木に登ることも多く、地上だけでなく樹上でも活動します。
夜行性で、アリやシロアリを探して森林の中を移動します。
マレーセンザンコウは、違法取引による捕獲などの影響を受けており、現在は非常に高い絶滅リスクにさらされています。
IUCNレッドリスト:絶滅危惧IA類(CR)
フィリピンセンザンコウ

学名:Manis culionensis
フィリピンセンザンコウは、その名前の通りフィリピンに生息するセンザンコウです。
フィリピンのパラワン島周辺に分布する固有種で、マレーセンザンコウと近縁とされています。
森林などで生活し、木に登ることもあります。
生息域が限られていることに加え、違法な捕獲や生息地の減少などが脅威となっています。
IUCNレッドリスト:絶滅危惧IA類(CR)
アフリカに生息するセンザンコウ4種
アフリカには、アジアとは異なる4種類のセンザンコウが生息しています。
樹上生活に適応した種類と、地上生活を中心とする種類がいるのも特徴です。
シロハラセンザンコウ

学名:Phataginus tricuspis
シロハラセンザンコウは、西部・中部アフリカの森林などに生息するセンザンコウです。
名前の通り、腹側が白っぽいことが特徴です。
樹上生活に適応しており、木の上で過ごすことが多い種類です。
夜行性で、アリやシロアリなどを食べます。
森林の減少に加え、肉やウロコを目的とした捕獲なども大きな脅威となっています。
IUCNレッドリスト:絶滅危惧(EN)
オナガセンザンコウ

学名:Phataginus tetradactyla
オナガセンザンコウは、西部・中部アフリカの森林などに生息しています。
大きな特徴は、その名前の通り長い尾です。
樹上生活に適応したセンザンコウで、長い尾を使いながら木の上を移動します。
夜間に活動し、アリやシロアリなどを食べます。
アフリカのセンザンコウも、違法な捕獲や国際的な取引による影響を受けています。
IUCNレッドリスト:絶滅危惧(VU)
ジャイアントセンザンコウ
学名:Smutsia gigantea
ジャイアントセンザンコウは、名前からも分かるように、センザンコウの中で最大級の種類です。
アフリカの森林や草原などに生息し、主に地上で生活しています。
強力な前足を使って地面を掘り、アリやシロアリを探します。
その大きな体と力強い前足は、ほかのセンザンコウとの大きな違いです。
IUCNレッドリスト:絶滅危惧(EN)
サバンナセンザンコウ

学名:Smutsia temminckii
サバンナセンザンコウは、東部から南部アフリカにかけて広く分布する種類です。
森林よりも、サバンナや草原など比較的開けた環境で暮らしています。
地上生活に適応しており、穴を掘って休んだり、外敵から身を守ったりします。
アリやシロアリを主食とし、夜になると餌を探して活動します。
IUCNレッドリスト:絶滅危惧(VU)
センザンコウ8種を比較すると?
8種類のセンザンコウを比較すると、それぞれに面白い違いがあります。
一番大きいセンザンコウは?
センザンコウの中でも最大級なのが、ジャイアントセンザンコウです。
名前の通り大型の種類で、アフリカの地上で生活しています。
一方、オナガセンザンコウは名前の通り長い尾を持ち、樹上生活に適応しています。
このように、センザンコウは種類によって体の大きさや生活場所にも違いがあります。
樹上で暮らすセンザンコウは?
樹上生活に適応している代表的な種類は、
- マレーセンザンコウ
- フィリピンセンザンコウ
- シロハラセンザンコウ
- オナガセンザンコウ
などです。
一方、インドセンザンコウやミミセンザンコウ、ジャイアントセンザンコウ、サバンナセンザンコウは地上生活への適応が強い種類です。
センザンコウはなぜ絶滅の危機にある?
センザンコウ8種は、すべてIUCNレッドリストの「Vulnerable(危急)」以上の絶滅リスクがある種として扱われています。IUCNではCR・EN・VUの3カテゴリーを「threatened(絶滅危惧種)」としてまとめています。
特に大きな問題となっているのが、密猟と違法取引です。
センザンコウは肉やウロコを目的として捕獲されてきました。
また、生息地の減少も各種に共通する問題です。
IUCNによると、2025年の報告でも、8種すべてが高い絶滅リスクにさらされており、過剰利用や生息地の減少が大きな脅威となっています。
さらに、2016年には8種すべてがCITES附属書Iに移行され、商業目的の国際取引について、より厳しい規制の対象となりました。
絶滅危惧種について詳しく知りたい方は『絶滅危惧種とは?意味や種類・原因をわかりやすく解説』の記事で、絶滅危惧種とはどのような生き物を指すのか、分類や絶滅の原因、保全活動などを詳しく解説しています。

センザンコウは日本の動物園でも見られる?
センザンコウは日本では非常に珍しい動物です。
そのため、動物園に行けば必ず見られるという動物ではありません。
「実際にセンザンコウを見てみたい」という方は、飼育展示を行っている施設があるか、訪問前に確認するのがおすすめです。
また、センザンコウは野生動物の違法取引問題を考えるうえでも重要な存在です。
「かわいい」「珍しい」という興味をきっかけに、センザンコウが置かれている現状について知ることも、保全につながる一歩になります。
まとめ|センザンコウは世界に8種類!
センザンコウは、現在8種類が知られている非常に珍しい哺乳類です。
アジアに4種、アフリカに4種が生息しており、それぞれ暮らしている環境や体の特徴が異なります。
今回紹介した8種は以下の通りです。
- インドセンザンコウ
- ミミセンザンコウ(チャイニーズセンザンコウ)
- マレーセンザンコウ
- フィリピンセンザンコウ
- シロハラセンザンコウ
- オナガセンザンコウ
- ジャイアントセンザンコウ
- サバンナセンザンコウ
そして、8種すべてが絶滅の危機にさらされています。
センザンコウを守るためには、密猟や違法取引、生息地の減少などの問題を知ることが大切です。
センザンコウについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
「センザンコウが絶滅の危機に瀕している理由」
センザンコウは、私たちが普段なかなか目にすることのない動物だからこそ、その存在と現状を知ることが保護への第一歩になります。




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