【鱗を持つ唯一の哺乳類】センザンコウの特徴と絶滅危機の理由は？

あなたはセンザンコウといいう生き物をご存知でしょうか？

センザンコウは、哺乳類唯一鱗をもっており、その独特な外見と習性で知られる動物です。
そんなセンザンコウは現在その種の存続が深刻な危機に瀕しています。

この記事では、センザンコウの特徴や現在置かれている状況、そして保護のためにできることについてお伝えします。

センザンコウとは？その特徴と生態

センザンコウは、アジアとアフリカの熱帯地域に生息する、
ちょっと変わった哺乳類です。

かつては分類学上、食べ物や体の特徴からアリクイ目（旧貧歯目）に分類されていましたが、
遺伝子解析の結果、現在では独自の進化を遂げた鱗甲目として唯一の動物とされています。

その体は硬い鱗で覆われており、捕食者から身を守るために丸くなる習性を持っています。
この鱗は人間の爪や髪の毛と同じ成分のケラチンという物質で出来ています。

また、センザンコウには8つの種が存在し、それぞれが異なる生息地と生活様式を持っています。

センザンコウは、かつてアリクイの仲間と言われているだけあり、
細長い舌を使ってアリやシロアリなどの虫を捕食しています。

その舌は体の長さの3分の1以上もあり、鋭い爪を使って巣を破壊し、餌を探し出します。
また、歯を持たず、食べ物は鳥のように砂嚢で砕かれ消化される特徴があります。

ほとんどのセンザンコウは夜行性で、単独で生活します。

昼間は地中や木の根元に作った巣で休み、夜に活動します。

ただ、一部のセンザンコウは樹上で生活をしたり、昼行性だったり、種類によってさまざまな特徴があることでも知られています。

センザンコウは、世界で最も密猟されている哺乳類とされています。

その鱗は伝統薬として珍重され、肉は高級食材とされることから、違法取引が後を絶ちません。

アジア諸国、特に中国とベトナムでは、センザンコウの鱗が滋養強壮や病気治療に効果があると信じられていますが、科学的な裏付けはありません。

センザンコウの密漁の現状

世界自然保護基金（WWF）によると、2010年〜2015年の間に、
100万頭以上のセンザンコウが違法取引の対象となったと推定されています。

センザンコウの鱗は、麻薬や象牙と並んで闇市場で取引されており、
その高価さから密猟者にとって大きな収益源となっています。

このような違法取引の結果、センザンコウの全8種が絶滅の危機に瀕しています。

国際自然保護連合（IUCN）は、センザンコウの全種を絶滅危惧種リストに掲載しており、
特にアジアに生息する3種は一番絶滅の危機に瀕しているクラスのCRに分類されています。

センザンコウの保護を目的とした国際的な取り組みが進められていますが、まだ多くの課題が残されています。

国際的な規制強化
2016年に行われたワシントン条約（CITES）の締約国会議では、センザンコウの国際取引が全面禁止されました。
この規制により、センザンコウの保護が強化されることが期待されていますが、違法取引は依然として続いています。

保護区とリハビリテーションセンターの設立
一部の国では、センザンコウのための保護区やリハビリテーションセンターが設立され、違法取引から救出された個体が保護されています。
これらの施設では、センザンコウが野生に戻れるように訓練が行われています。

教育と啓発活動
密猟の根本原因に対処するためには、需要を減らすことが不可欠です。
教育キャンペーンや啓発活動が行われ、センザンコウの違法取引が環境と生態系に与える影響について一般の認識を高める取り組みが進められています。

センザンコウを保護するためには、私たち一人一人ができることがあります。

寄付と支援
センザンコウの保護活動を行っている団体に寄付を行い、保護活動を支援することができます。
これにより、センザンコウの保護区の運営やリハビリテーションセンターの運営が可能になります。

啓発活動に参加する
ソーシャルメディアを通じてセンザンコウの現状を広め、周囲の人々にも関心を持ってもらうことが重要です。
知識を広めることで、違法取引に対する社会の認識を変えることができます。

センザンコウはその独特な生態と魅力的な特徴を持ちながらも、現在深刻な危機に直面しています。

違法取引や密猟によって絶滅の危機にさらされているこの動物を守るためには、国際的な取り組みと私たち一人一人の行動が必要です。

センザンコウの未来を守るために、行動を起こしてみてはいかがでしょうか？