海を泳ぐ姿が印象的なウミガメですが、実は一生を海だけで過ごすわけではありません。メスは産卵のために、自分が生まれ育った砂浜へと戻ってくる性質を持っています。
そして「ウミガメ」とひとくくりに呼ばれることが多いこの生き物ですが、世界には複数の種類が存在し、それぞれ食べ物や大きさ、生息域には大きな違いがあります。
この記事では、そんなウミガメの基本情報から、代表的な種類ごとの特徴、産卵の様子、寿命、そして絶滅危惧の現状まで、まとめて解説していきます。
ウミガメとは?

基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 分類 | 爬虫類・カメ目ウミガメ上科 |
| 生息地 | 世界各地の熱帯・温帯の海 |
| 食性 | 種類によって異なる |
| 特徴 | 海で生活することに適応 |
| 産卵 | 陸上(砂浜)で行う |
| 寿命 | 種類によって異なる |
まず知っておきたいのは、「ウミガメ」は1種類の動物を指す言葉ではないということです。ウミガメはカメ目ウミガメ上科というグループに属する生き物の総称で、現生種はウミガメ科(6種)とオサガメ科(1種)をあわせた、2科・6属・7種が知られています。
約1億年前、陸上で暮らしていたカメの祖先の一部が海へと生活の場を移し、前あしをオール(フリッパー)のような形に進化させたことで、現在のウミガメの姿になったと考えられています。
ウミガメにはどんな種類がいる?

世界には現生の7種のウミガメが知られています。それぞれ姿形や生息域、食性が異なり、「ウミガメ」とひとくくりにできない多様性を持っています。
アカウミガメ
がっしりとした大きな頭部と、強靭な顎(あご)を持つのが特徴です。この頑丈な顎で、硬い殻を持つ貝類や甲殻類を噛み砕いて食べます。甲長はおよそ70〜100cmほどで、世界中の温暖な海域に広く分布しています。
日本は、アメリカ合衆国東南岸やオマーンと並ぶ世界有数のアカウミガメの産卵地であり、北太平洋では唯一の産卵地としても知られています。
アオウミガメ
ウミガメ科の中で唯一、成体になると草食傾向が強くなる種類です。ノコギリ状になった顎の端を使い、海草や海藻を噛みちぎって食べます。名前の由来は体の色ではなく、体内の脂肪が緑色を帯びていることに由来するとされています。
比較的低い水温にも耐えられる性質を持ち、他のウミガメが生息できないような海域でも姿が確認されることがあります。
アオウミガメ以外の代表的な種類
このほかにも、世界にはさまざまな特徴を持つウミガメが生息しています。
- タイマイ:尖った嘴(くちばし)状の口を持ち、サンゴ礁に生えるカイメンをピンセットのようにつまんで食べます。美しい甲羅の模様は「鼈甲(べっこう)」の素材として古くから珍重されてきましたが、これがかえって密猟の対象になってしまった歴史も持っています。
- ヒメウミガメ:現生種の中では比較的小型で、甲長は60〜70cmほど。特定の海岸に数百〜数千頭が一斉に上陸して産卵する「アリバダ」と呼ばれる集団産卵行動で知られています。
- オサガメ:現生ウミガメの中で最大の種で、甲長は最大190cmに達するとされます。硬い甲板を持たず、皮質の甲羅を持つ流線型の体が特徴で、もっぱらクラゲを食べる生活に特化しています。
- ヒラタウミガメ:オーストラリア北部の海域にのみ限定的に生息する種で、平らな形をした甲羅を持ちます。
- ケンプヒメウミガメ:現生ウミガメの中でも特に生息数が少なく、主にメキシコ湾周辺に生息する希少な種です。
このように、世界には現生で7種のウミガメが知られています。かつては形態から2つの亜科に分ける説もありましたが、近年のDNA解析によって、こうした分類は否定されています。
なお、東太平洋沿岸には「クロウミガメ」と呼ばれる、アオウミガメと形態がやや異なるグループも存在しますが、独立した種とするかどうかは研究者の間でも意見が分かれています。
ウミガメの特徴

海を泳ぐための体をしている
ウミガメの体は、陸上のカメとは大きく異なり、海での生活に特化した作りになっています。特に前脚は大きく発達してヒレ(フリッパー)のような形になっており、これを羽ばたかせるように動かすことで、力強く海中を進むことができます。
一方で、陸上ではほとんど歩くことができず、産卵のために砂浜へ上陸する際も、体を引きずるように移動します。
甲羅は種類によって形が違う
ウミガメの甲羅は、陸生のカメのようなドーム型ではなく、水の抵抗を減らすため、全体的に平たくスリムな形をしています。
ただし、その形状は種類によって異なり、アオウミガメは丸みを帯びた甲羅、タイマイは鋭角的で美しい模様を持つ甲羅、オサガメは硬い甲板を持たない皮質の流線型の甲羅というように、それぞれの生活スタイルに合わせて進化してきました。
息継ぎをしながら長時間泳ぐ
ウミガメは肺で呼吸する爬虫類のため、水中に潜り続けることはできず、定期的に海面に浮上して空気を吸う必要があります。
ただし、代謝を落とすことで一度の呼吸で長時間潜っていられるのも特徴で、種類や状況によっては数十分から数時間にわたって潜水し続けることもあるとされています。
種類によって食べるものが違う
アカウミガメは貝類や甲殻類、アオウミガメは海草・海藻、タイマイはカイメン、オサガメはクラゲというように、ウミガメの食性は種類ごとに大きく異なります。
同じ海域に複数の種類が生息していても、それぞれ異なる獲物を専門に狙うことで、食べ物をめぐる競合を避け、共存できていると考えられています。
「ウミガメ=海藻を食べる生き物」というイメージは、アオウミガメには当てはまりますが、ウミガメ全体には当てはまらないのです。
ウミガメはどこに生息している?

熱帯・温帯の海
ウミガメは基本的に、世界各地の熱帯から温帯にかけての暖かい海域に広く分布しています。
海流に乗って長距離を回遊しながらエサを探し、産卵期になると、多くの場合は自分が生まれた海域へと戻ってくる性質を持っています。
日本にもウミガメがやってくる
日本近海にも、複数の種類のウミガメが訪れます。国内で産卵が確認されているのはアカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの3種です。
鹿児島県の屋久島(特に永田浜)や種子島は、北太平洋最大級のアカウミガメの産卵地として知られており、沖縄県や鹿児島県の南西諸島では、アカウミガメ・アオウミガメ・タイマイの3種すべての産卵が確認されています。
また、東京都の小笠原諸島は、特にアオウミガメの重要な産卵地として知られています。このほか、オサガメやヒメウミガメは、日本近海を回遊する種類として、まれに目撃されることがあります。
このように、種類によって日本国内で利用する場所が異なる点も、ウミガメの多様性を物語っています。
ウミガメは何を食べる?

前述の通り、ウミガメの食べ物は種類によって大きく異なります。
アオウミガメ
主に海草や海藻を食べる、ウミガメ科の中で唯一の草食性に近い種類です。ノコギリ状になった顎の端で植物を噛みちぎって食べます。
藻場の海藻を間引くように食べることで、藻場が健全な状態に保たれるという、生態系上の役割も果たしています。
アカウミガメ
強靭な顎を武器に、硬い殻を持つ貝類や甲殻類(エビ・カニなど)を捕食します。
硬いものを噛み砕く力に優れており、他の多くのウミガメが手を出しにくい獲物を専門に食べることができます。
タイマイ
尖った嘴状の口を、ピンセットのように器用に使い、サンゴ礁に生えるカイメン(海綿動物)を食べます。
多くの生物にとって毒を持つカイメンを食べて除去することで、サンゴなど他の生物が繁殖しやすい環境を保つ役割を担っているとされています。
オサガメ
巨体に似合わず、もっぱら浮遊性のクラゲを食べています。上顎の中央には切れ込みがあり、その周縁は鉤(かぎ)状になっているなど、口の形もクラゲを食べることに特化しています。
このように種類ごとに食性が分化していることで、同じ海域に暮らすウミガメたちは、食べ物をめぐる競争を避けながら共存していると考えられています。
「ウミガメ=海藻を食べる」というイメージは一部の種にのみ当てはまるものであり、実際にはかなりバラエティに富んだ食生活を送っているのです。
ウミガメはどのように産卵する?

母ガメが砂浜に上陸する
産卵期を迎えたメスのウミガメは、暗い夜の砂浜に、静かに上陸します。地面に接する皮膚の感覚を頼りに適した場所を探し、前脚で地ならしをしてから産卵に取りかかります。
砂浜に穴を掘って卵を産む
場所が決まると、後ろ脚を交互に動かしながら、直径50〜70cmほど、深さ50〜60cmほどの穴を、20〜30分ほどかけて掘っていきます。穴が完成すると、尾の下にある総排泄腔から、種類にもよりますが1回あたり約60〜100個ほどの卵を産み落とします。
産卵を終えると前脚で穴に砂をかけて隠し、静かに海へと帰っていきます。上陸から産卵、海へ戻るまでの一連の作業には、1〜2時間ほどかかるとされています。
卵が孵化するまで
産み落とされた卵は、砂の中で自然の温度によって温められ、およそ2カ月前後で孵化を迎えます。ここで重要なのが、ウミガメの性別は遺伝ではなく、卵が孵化するまでに経験した砂の温度によって決まる「温度依存性決定」という仕組みを持っている点です。
目安となる温度はおよそ29℃前後とされ、これより高い温度で育つとメスに、低い温度で育つとオスになりやすいことがわかっています。この特性が、近年の気候変動と結びつき、大きな問題を引き起こしていることは、後ほど詳しく紹介します。
子ガメは海へ向かう
孵化した子ガメたちは、砂の中から地表へと這い出し、月明かりや水平線の明るさを頼りに、一斉に海を目指します。
この間、カニや鳥などの天敵に襲われるリスクが非常に高く、無事に海へたどり着けたとしても、その後の外洋での生活を生き延びられる個体はごくわずかです。「1000〜5000個の卵から、大人になれるのはわずか1匹程度」ともいわれるほど、生存率は極めて厳しいものとなっています。
なぜウミガメは、成長したのちに生まれた砂浜へ戻ってくるのでしょうか。詳しいメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、地磁気を感知する能力を利用して、生まれた場所の環境情報を記憶しているのではないかとする説が有力視されています。
長年にわたる標識調査によって、同じメスが数年おきに同じ砂浜へ戻ってくる様子が、実際に記録されています。
ウミガメの一生

ウミガメの一生は、次のような大きなサイクルで捉えることができます。
卵 → 孵化 → 海へ → 成長 → 成熟 → 産卵のため砂浜へ → 次の世代へ
子ガメの時期
孵化して海にたどり着いた子ガメは、エサの豊富な沖合を目指して泳ぎ出します。この時期のウミガメがどこでどのように過ごしているかについては、実はまだ多くの謎が残されており、「失われた歳月(ロスト・イヤーズ)」と呼ばれることもあります。
成長したウミガメ
数年を沖合で過ごした後、多くの種類は沿岸域に移動し、そこで成長期を過ごします。成熟するまでには非常に長い年月がかかり、種類によっては20〜40年ほどを要するとされています。
繁殖と産卵
成熟したウミガメは、繁殖のために生まれた海域周辺へ戻り、交尾と産卵を行います。メスは1回の産卵シーズンに複数回(種類によっては3〜5回程度)産卵を繰り返し、これを数年おきに続けながら、次の世代へと命をつないでいきます。
ウミガメの寿命は何年?

ウミガメは長生きする?
ウミガメは一般に長寿な生き物として知られています。
例えばアカウミガメは、性成熟までに20代後半から30代前半という長い年月を要するとされ、野生下での寿命は種類や個体によって幅がありますが、数十年から、条件によっては100年近く、あるいはそれ以上生きる可能性があるとする報告もあります。
正確な寿命が分かりにくい理由
ウミガメの正確な寿命を断定することは、実はとても難しいとされています。
その理由は、野生下のウミガメは広い海を回遊しながら生活しているため、生まれてから死ぬまでを一貫して追跡することが極めて困難だからです。
標識調査によって、数十年にわたり同じ個体が確認され続けている例はあるものの、それが「その個体の寿命の全容」を示しているとは限りません。
年齢の推定には、骨の成長線を調べる方法なども用いられていますが、種類によって、あるいは個体差によって、成長のスピードや成熟にかかる年数が異なるため、一律に「ウミガメは何歳まで生きる」と言い切ることは難しいのが実情です。
こうした事情から、この記事でも「ウミガメは長寿な生き物である」という大枠は紹介できますが、具体的な最大寿命については、資料によって幅があることを前提に理解しておくのがよいでしょう。
ウミガメのように長い年月を生きる動物についてもっと知りたい方はこちらの『長生きする動物10選!世界一長寿の動物は?驚きの寿命や長生きの理由を紹介』をご覧ください。
ウミガメは絶滅危惧種?

種類によって保全状況が異なる
ウミガメと聞くと「絶滅危惧種」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実はすべての種類が同じ絶滅危惧カテゴリーに分類されているわけではありません。
例えばタイマイやオサガメ、ケンプヒメウミガメは、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで特に深刻な「近絶滅種(CR)」に近いカテゴリーで評価されてきた一方、ヒラタウミガメは情報不足を理由に、絶滅危惧種としては指定されていません。
なお、アオウミガメについては保護活動の成果によって個体数が回復傾向にあり、2025年10月に公表されたIUCNレッドリストの最新版では、世界的な評価が絶滅危惧種のカテゴリーから外れました。小笠原諸島や南西諸島で産卵するアオウミガメの個体数回復も、この評価の見直しに貢献したとされています。
ただし、これは種全体としての評価であり、地域の個体群によっては依然として厳しい状況に置かれているケースもあります。「ウミガメ=すべて絶滅危惧種」という単純な理解ではなく、種類ごと、さらには地域個体群ごとに状況が異なるという点を押さえておくことが大切です。
ウミガメが脅かされている理由
- 混獲:本来の漁の対象ではない漁業活動の中で、ウミガメが誤って漁具にかかってしまう事故が世界各地で発生しています。
- 砂浜の開発:産卵地となる砂浜が、護岸工事やリゾート開発などによって縮小・消失することで、産卵できる場所そのものが減少しています。
- 海洋プラスチック:クラゲと見間違えてビニール袋などのプラスチックごみを飲み込んでしまう事故が、特にオサガメなどで報告されています。
- 光害:砂浜周辺の照明が、生まれたばかりの子ガメが海の方向を認識する妨げとなり、内陸側に迷い込んでしまう原因になることがあります。
- 気候変動:前述の温度依存性決定の仕組みにより、砂浜の温度上昇がメスの割合を極端に増やし、将来的な繁殖への影響が懸念されています。オーストラリアの一部の産卵地では、孵化した個体の9割以上がメスになっているという調査結果も報告されています。
- 卵や個体への人間活動の影響:一部の地域では、今も食用や装飾品(鼈甲など)を目的とした捕獲・密猟が続いています。
絶滅危惧種について詳しく知りたい方はこちらの『絶滅危惧種とは?意味や種類・原因をわかりやすく解説|私たちにできることは?』をご覧ください。

ウミガメを守るためにできること

砂浜をきれいに保つ
海岸のごみは、ウミガメの産卵環境を悪化させるだけでなく、子ガメが海へたどり着く際の障害物にもなり得ます。海岸でのごみ拾いや清掃活動への参加は、身近にできる支援のひとつです。
海洋プラスチックを減らす
レジ袋やペットボトルなどのプラスチックごみは、最終的に海へ流れ着き、クラゲと誤認したウミガメに飲み込まれてしまうことがあります。
日常生活の中でプラスチックごみを減らす工夫を積み重ねることが、間接的にウミガメを守ることにつながります。
産卵地ではウミガメを驚かせない
産卵のために上陸したウミガメは、非常にデリケートな状態にあります。
光や音、人の接近に驚いて産卵を中断し、そのまま海へ帰ってしまうこともあるため、産卵地の砂浜を訪れる際は、静かに、そして一定の距離を保って見守ることが大切です。
野生動物との適切な距離を保つ
かわいらしい姿につい近づきたくなるかもしれませんが、ウミガメは野生動物です。むやみに触れたり、追いかけたりすることは、ウミガメにストレスを与えるだけでなく、思わぬケガや事故につながる可能性もあります。
適切な距離感を保ちながら観察することが、ウミガメにとっても人にとっても望ましい関わり方です。
日本でウミガメに会える場所は?

日本国内では、鹿児島県の屋久島(永田浜)や種子島、和歌山県、静岡県の遠州灘、徳島県の大浜海岸、そして沖縄県や東京都の小笠原諸島など、各地でウミガメの産卵や上陸が確認されています。
産卵シーズンにあわせて、地域のガイドツアーに参加することで、産卵の様子を観察できる機会もあります。
ただし、野生のウミガメを観察する際には、次のようなマナーを守ることが大切です。
- 触らない:ウミガメの皮膚は繊細で、人の接触がストレスや感染のリスクになることがあります。
- 追いかけない:驚いたウミガメが方向を見失ったり、産卵を中断したりする原因になります。
- フラッシュ撮影を避ける:強い光は、暗闇に敏感なウミガメの行動を乱す可能性があります。
- 産卵中の母ガメに近づかない:産卵の途中で驚かせてしまうと、そのまま産卵をやめて海へ戻ってしまうことがあります。
- 子ガメを海へ誘導しない:人が子ガメを助けようとして海へ運んでしまうと、生まれた場所を記憶するための重要なプロセスが妨げられる可能性があるといわれています。
こうしたルールは、多くの場合、地域の保護団体やガイドツアーの案内にも明記されています。事前に確認したうえで、ウミガメにとって負担の少ない形で観察を楽しみましょう。
ウミガメに関するよくある質問

ウミガメは何年生きる?
種類や個体によって幅がありますが、多くの種類で数十年、条件によっては100年近く、あるいはそれ以上生きる可能性があるとされています。ただし、野生下での正確な年齢を特定することは難しく、断定的な数字を示すことはできません。
ウミガメは何を食べる?
種類によって食性は大きく異なります。アオウミガメは海草・海藻、アカウミガメは貝類や甲殻類、タイマイはカイメン、オサガメはクラゲを主に食べています。
ウミガメはどこに住んでいる?
世界各地の熱帯から温帯にかけての暖かい海域に広く分布しています。日本近海にも複数の種類が訪れ、屋久島や小笠原諸島、南西諸島などが主な産卵地として知られています。
ウミガメは淡水でも生きられる?
ウミガメは海での生活に特化した爬虫類であり、基本的に淡水環境での生活には適応していません。過剰な塩分を目の近くにある塩類腺から排出する仕組みを持つなど、体の作りそのものが海水での生活を前提にしています。
ウミガメはなぜ砂浜に戻ってくるの?
詳しいメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、地磁気を感知する能力を使って、生まれた場所の情報を記憶しているのではないかとする説が有力視されています。長年の標識調査によって、同じメスが数年おきに生まれた砂浜へ戻ってくる様子が確認されています。
ウミガメは絶滅危惧種?
種類によって状況は異なります。タイマイやオサガメ、ケンプヒメウミガメなどは深刻な絶滅危惧カテゴリーで評価されている一方、アオウミガメは近年の保護活動によって個体数が回復し、2025年には世界的な評価が絶滅危惧種のカテゴリーから外れました。「すべてのウミガメが同じように絶滅の危機にある」わけではなく、種類ごとに状況を見ていく必要があります。
まとめ
ウミガメは1種類の動物ではなく、世界に7種が生息する多様なグループです。海での生活に適応した体を持ちながらも、産卵は必ず陸上(砂浜)で行うという、海と陸をまたいだユニークな生態を持っています。
種類によって大きさや食べ物、生息域は大きく異なり、それぞれが異なる役割を担いながら海の生態系を支えています。
一方で、混獲や砂浜の開発、海洋プラスチック、気候変動による性比の偏りなど、人間の活動によってさまざまな脅威にさらされていることも事実です。アオウミガメのように保護活動によって回復傾向を見せている種類がある一方、依然として厳しい状況にある種類も存在します。
砂浜をきれいに保つ、プラスチックごみを減らす、産卵地では静かに見守るなど、私たち一人ひとりにできることも確かにあります。
ウミガメのように、長い年月を生きる動物についてもっと知りたい方は
[長生きする動物10選!世界一長寿の動物は?驚きの寿命や長生きの理由を紹介]
をご覧ください。
また、世界にはさまざまな絶滅危惧種が存在します。 絶滅危惧種について知りたい方は
[絶滅危惧種とは?意味や種類・原因をわかりやすく解説|私たちにできることは?]
をご覧ください。



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