地震や台風などの災害が起きたとき、愛猫を安全に避難させるために欠かせないのがキャリーケースです。
しかし、
「キャリーを出しただけで猫が逃げる」
「病院に行くときしか使わないので、キャリーを見ると嫌がる」
「災害時にパニックになった猫をキャリーへ入れられるか不安」
という飼い主さんも多いのではないでしょうか。
普段はおとなしい猫でも、災害時には大きな音や揺れ、停電、周囲の人や動物などによってパニックになることがあります。
そんなときに、無理やりキャリーへ入れようとすると、飼い主が引っかかれたり、猫がさらにキャリーを怖がったりする可能性があります。
だからこそ大切なのが、災害が起きる前からキャリーに慣れてもらうことです。
この記事では、おやつや普段の生活を利用して、猫がキャリーを「怖い場所」ではなく「安心できる場所」と感じられるようにする方法を紹介します。
なぜ猫をキャリーに慣れさせる必要があるの?

キャリーケースは、動物病院へ行くときだけに使うものではありません。
災害時には、
- 避難所へ移動する
- 車で避難する
- 一時的に別の場所へ移動する
- 保護施設などへ預ける
といった場面で必要になる可能性があります。
しかし、普段からキャリーに入る習慣がない猫の場合、いざというときに入ってくれないことがあります。
特に災害時は、猫自身が恐怖やストレスを感じている可能性があります。
その状態でキャリーを出して追いかけ回すと、さらに警戒されてしまうこともあります。
だからこそ、
「災害時にキャリーへ入れる」のではなく、「普段からキャリーに入る習慣を作っておく」
ことが重要です。
キャリーは普段から出しておく

キャリーを普段は押し入れなどに収納していて、病院へ行くときだけ取り出していませんか?
もしそうなら、まずはキャリーを日常生活の中に置いておくことから始めてみましょう。
猫からすると、「キャリーが出てくる=病院に連れて行かれる」という経験が積み重なっている可能性があります。
そこで、キャリー=嫌なことが起きる場所というイメージを変えていきます。
部屋の中にキャリーを置き、扉を開けた状態にしておきましょう。
猫が自分から近づけるようにして、無理に中へ入れようとしないことがポイントです。
最初はキャリーに「近づくだけ」でOK

キャリーに慣れていない猫の場合、いきなり中へ入れる必要はありません。
まずは、キャリーを見る→近づく→匂いを嗅ぐ
というところから始めます。
猫がキャリーの近くまで来たら、やさしく声をかけたり、おやつを与えたりします。
このとき大切なのは、猫が嫌がる前に終わらせることです。
「今日はキャリーの近くまで来られた」
だけでも十分な練習になります。
おやつを使ってキャリーへの印象を変える

キャリーに慣れてもらう方法として使いやすいのが、おやつです。
最初はキャリーの外側でおやつを与えます。
猫が慣れてきたら、キャリーの近く→キャリーの入口→キャリーの中と、少しずつおやつを置く場所を変えていきます。
猫が自分から中に入っておやつを食べられるようになったら、大きな進歩です。
ただし、猫が怖がっているのに無理やり奥へ誘導する必要はありません。
猫の様子を見ながら、少しずつ進めましょう。
キャリーの中を「寝床」にしてみる

猫がキャリーの中に入れるようになったら、さらに一歩進めて、普段から休める場所として使ってみましょう。
例えば、
- いつも使っているタオル
- 猫が好きなブランケット
- 普段使っているベッド
などをキャリーの中に入れます。
猫が「ここに入ると安心できる」と感じるようになれば、災害時にもキャリーへ入りやすくなる可能性があります。
キャリーを部屋の隅など落ち着ける場所に置いて、猫が自由に出入りできるようにするのもおすすめです。
扉はすぐに閉めない

キャリーの中に入れるようになったからといって、すぐに扉を閉めるのは避けましょう。
猫にとって、「中に入る=閉じ込められる」という経験になってしまう可能性があります。
まずは、入る → おやつを食べる → 自由に出るという経験を繰り返します。
慣れてきたら、扉に触れるだけ。さらに慣れてきたら、扉を少しだけ動かす。
その後、短時間だけ閉める。
というように、段階的に練習します。
扉を閉める練習は短時間から

扉を閉めても落ち着いていられるようになったら、少しずつ時間を延ばします。
例えば、数秒→数十秒→1分程度
というように、猫の様子を見ながら進めます。
落ち着いているうちに扉を開けて、外へ出られるようにしてあげましょう。
「長時間閉じ込める」ことよりも、「扉が閉まっても怖いことは起きない」という経験を積ませることが重要です。
キャリーを持ち上げる練習もしておこう

災害時には、キャリーに猫を入れるだけでは終わりません。
キャリーごと持ち上げて移動する必要があります。
そのため、猫がキャリーの中で落ち着けるようになったら、
持ち上げる → すぐ置くという練習もしておきましょう。
最初はほんの数秒で構いません。
慣れてきたら、
- 部屋の中を少し移動する
- 廊下まで移動する
- 玄関まで移動する
など、少しずつ距離を伸ばしていきます。
キャリーに入ったまま外へ出る練習
可能であれば、キャリーに入った状態で家の外へ出る練習もしておきましょう。
例えば、玄関の外まで出る→少し歩く→車まで移動するなどです。
ただし、猫によってストレスの感じ方は異なります。
強く怖がる場合は無理に続けず、まずは室内での練習に戻しましょう。
災害時に「猫を追いかけ回さない」ために
災害が起きたとき、猫が家具の下や部屋の隅に隠れてしまうことがあります。
そこで無理やり引っ張り出そうとすると、猫がパニックになってしまう可能性があります。
日頃から、
- キャリーを出しておく
- キャリーを安心できる場所にする
- おやつで中に入る練習をする
- 飼い主の声に反応する練習をする
などをしておくと、いざというときの負担を減らせます。
また、災害時には猫が驚いて普段とは違う行動をすることも考え、玄関や窓からの脱走防止にも注意しましょう。
キャリーは「猫を閉じ込める箱」にしない
キャリーに慣れてもらううえで大切なのは、
キャリー=病院へ行く場所
というイメージを変えることです。
普段から、
- 休憩場所
- 昼寝する場所
- おやつを食べる場所
- 安心できる隠れ場所
として使えるようにしてみましょう。
猫が自分からキャリーに入って寝るようになれば理想的です。
キャリーそのものも防災用品として見直そう
キャリーなら何でもいいというわけではありません。
防災用として使用するなら、
- 猫が無理なく入れる大きさ
- 扉がしっかり閉まる
- 持ち運びやすい
- 通気性がある
- 壊れにくい
- 掃除しやすい
などを確認しましょう。
また、災害時にはキャリーを持って移動する可能性があるため、実際に猫を入れた状態で持ち運べるかも一度確認しておくと安心です。
猫の防災は「キャリー+迷子対策」も忘れずに
災害時には、猫が驚いて逃げ出してしまう可能性があります。
そのため、キャリーに慣れさせるだけでなく、
- 首輪
- 迷子札
- マイクロチップ
- 飼い主の連絡先
- 愛猫の写真
などの迷子対策も準備しておきましょう。
特に、普段は完全室内飼いの猫でも、災害時には屋外へ出てしまう可能性があります。
「うちの猫は外に出ないから大丈夫」と考えず、万が一に備えておくことが大切です。
キャリー慣れは1日で完成させなくていい
猫によっては、キャリーを見るだけで逃げてしまうことがあります。
その場合、「今日からキャリーに入れるようにしよう」と焦る必要はありません。
まずはキャリーを部屋に置くだけ。次に近くでおやつを食べてもらう。
そして入口まで近づけるようにする。
というように、猫が怖がらないペースで少しずつ進めましょう。
大切なのは、短時間でも繰り返し練習することです。
防災の日に「キャリーに入れるか」を確認しよう
9月1日の防災の日には、愛猫のキャリー訓練もチェックしてみましょう。
キャリー防災チェック
- キャリーを普段から出している
- 猫がキャリーの近くまで行ける
- キャリーの中でおやつを食べられる
- キャリーの中で落ち着いていられる
- 扉を閉めてもパニックにならない
- キャリーを持ち上げても落ち着いている
- キャリーを持って移動する練習をしている
- キャリーが壊れていない
- 猫の迷子対策をしている
全部できなくても問題ありません。
まずは今日、キャリーを出して扉を開けたまま置いてみることから始めてみましょう。
まとめ|猫のキャリー慣れは災害が起きる前から
災害時に愛猫を安全に避難させるためには、キャリーが必要になる可能性があります。
しかし、普段からキャリーを使っていない猫の場合、いざというときに入ってくれないこともあります。
だからこそ、
キャリーを普段から出しておく→近くでおやつを与える→中におやつを置く
→キャリーの中で過ごす時間を作る→扉を閉める練習をする
→持ち上げて移動する練習をする
というように、少しずつ慣らしていきましょう。
無理やり押し込むのではなく、「キャリーに入ると良いことがある」と猫自身に覚えてもらうことがポイントです。
災害はいつ起こるか分かりません。
9月1日の防災の日をきっかけに、まずはキャリーを部屋に出すところから、愛猫の避難準備を始めてみてはいかがでしょうか。


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