みなさんは「進化」と聞くと、何万年、何百万年という果てしない時間をかけて起こるものだと思っていませんか?
実は今、私たちの目の前で、わずか1〜2年の間に動物たちが「超高速進化」を遂げていることが明らかになりました。
舞台は、アメリカの有名大学であるカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のキャンパス。そこで暮らす小さな野鳥「ユキヒメドリ」の体に起きた、不思議な変化をご紹介します。
そもそも「ユキヒメドリ」ってどんな鳥?

今回注目されたのは、スズメの仲間である「ユキヒメドリ(Dark-eyed Junco)」という野鳥です。 もともとは豊かな山林に住んでいましたが、近年の気候変動などの影響もあり、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)のキャンパスのような都市部にも住み着くようになりました。
実は、住む場所によって彼らの「くちばしの形」には面白い違いがあります。
| 生息地 | 主なエサ | くちばしの特徴 |
|---|---|---|
| 山林(自然界) | 硬い種子、すばしっこい昆虫 | 細くて長いくちばし(自然の獲物を捕らえやすい) |
| 都市部(キャンパスなど) | 人間の食べ残し、ゴミ箱の食べ物 | 短くてずんぐりしたくちばし(幅広いエサを食べやすい) |
このように、住む環境に合わせてくちばしの形を適応させていたのです。
コロナ禍で「学生が消えた」キャンパスで起きた異変
2020年、新型コロナウイルスの世界的な大流行(パンデミック)により、世界中でロックダウンや外出制限が行われました。UCLAでも講義はオンラインになり、キャンパスは閉鎖、食堂も休業となって、人間が完全に姿を消したのです。
人間がいなくなったことで、ユキヒメドリたちの食生活は激変します。これまで頼りにしていた「人間の食べ残し」が一切手に入らなくなってしまったのです。
そこで、鳥たちは生き抜くために野生のカンを取り戻し、草の種や虫を食べる生活へと戻らざるを得なくなりました。
すると、驚くべき現象が起こります。 パンデミックの最中である2021年と2022年に生まれたユキヒメドリたちのくちばしが、山林に住む野生種のように「細長く」変化していたのです。
人間が戻ってきたら…まさかの「元通り」!?
この研究の本当に面白いところはここからです。
2023年になり、感染症対策の制限が緩和され、キャンパスに学生たちが戻ってきました。食堂も再開され、再び「人間の食べ残し」が手に入るようになります。
すると、2023年と2024年に生まれたユキヒメドリのくちばしは、再び「短くてずんぐりした形」へと戻っていたのです。
わずか数年の間に、人間がいなくなったら「長く」なり、人間が戻ってきたら「短く」なる。まるで伸縮するパーツのように、環境に合わせて驚異的なスピードで体を変化させていたことが、UCLAの研究チームの調査で明らかになりました。
まとめ:進化は「いま、目の前で」起きている
研究者はこの現象について、次のように語っています。
「実は私たちの目の前でたくさんの進化が、それも急速な進化が起きているのは間違いない。私たちがそのことを知りさえしないのは、注意深く観察していないためだ」
教科書の中だけの話だと思っていた「進化」や「環境適応」が、実は私たちのライフスタイルの変化(コロナ禍によるリモートワークなど)に連動して、リアルタイムで行われていたというのは、なんともロマンがある話ですよね。
もしかしたら、私たちが毎日見かける身近なスズメやカラス、公園の生き物たちも、私たちが気づかないスピードで「新しい姿」へとアップデートを繰り返しているのかもしれません。
ニュース引用元: https://www.cnn.co.jp/fringe/35242625.html


コメント