モフモフで愛らしい見た目と、繊細ながらも人懐っこい性格が魅力のチンチラ。
この記事では、お迎え前の準備から毎日のお世話、健康管理まで、初心者の方にもチンチラについて、わかりやすく解説します。
チンチラは静かな環境でじっくり信頼関係を築ける方に向いている小動物です。
チンチラってどんな動物?基本情報を知ろう
チンチラの種類と特徴
チンチラには様々な品種があります。
一般的なのはスタンダードグレーですが、ホワイト、ベージュ、ブラックなど、カラーバリエーションが豊富です。
チンチラの性格の特徴
臆病な性格ですが、懐くと甘えてくる子も多いのがチンチラの特徴です。
また、夜行性なので日中はケージのハウスにいることが多く、鳴き声も小さいため賃貸でも飼いやすいペットの一つです。
ただ、温度管理が必要で、特に夏場の高温には弱いためエアコン管理は必須です。
チンチラの寿命
平均寿命は10~15年。適切な環境で育てれば20年近く生きることもあります。
チンチラを飼う前に確認したいこと
チンチラをお迎えする前に、以下の点を必ず確認しておきましょう。
家族の準備
まず、自分や家族にアレルギーがないかの確認は必須です。
飼い始めて、アレルギーで捨てるという方がたまにいらっしゃいます。
これはペットにとっても、不幸な道しかないので、アレルギーのチェックはしておきましょう。
また、毎日30分〜1時間は様子を見たり、遊んだりできる時間を取れるかどうかも確認しておきましょう。
経済的な準備
チンチラを飼うために、犬猫ほどのコストはかかりませんが、それでも、月3,000〜5,000円程度必要になります。
また、初期費用も5万ほど必要になります。
詳しくは、「チンチラのお迎えの準備をしよう!」をご覧ください。
環境の準備
温度管理が必須と言いましたが、チンチラの理想温度は18〜24℃とされています。
また、チンチラは大人しい性格な子が多く、物音には敏感な子が多いです。
そのため、静かで安定した飼育環境を提供できるかもチェックしておきましょう。
もしもの時のためを考える
万が一、なにかの事情で、将来飼えなくなった場合の預け先や引き取り先をを考えておくことも大切です。
チンチラはどこからお迎えする?
チンチラをお迎えする場所は大きく次の3つが挙げられます。
- ペットショップ
- ブリーダー
- 保護施設
チンチラをお迎えする場所①ペットショップ
まずはペットショップです。
ペットショップでお迎えする場合は、用品などのグッズも豊富で、手軽にお迎えすることができます。
しかし、場所によっては環境が悪いこともあり、健康状態は要チェックが必要です。
チンチラをお迎えする場所②ブリーダー
ブリーダーからお迎えする場合は、血統や性格が細かく教えてくれたり、健康状態の良い子を迎えやすいです。
用品やグッズは別で揃える必要があったり、近所にないブリーダーがいないこともあります。
チンチラをお迎えする場所③保護施設
保護施設では、条件がありますが里親になることができます。
健康管理は、しっかりしていますが、持病があったり、年齢が不明(もしくはアバウト)なことがあります。
チンチラのお迎えの準備をしよう!必要なものリスト
初期費用は、5万ほどあれば十分に揃えることができます。
ケージ | 約3,000~20,000円 |
食事関連グッズ | 約1,000〜5,000円 |
トイレ関連 | 約2,000〜5,000円 |
お手入れグッズ | 約500〜5,000円 |
その他のアイテム | 約5,000円程度 |
チンチラの飼育環境の準備
- ケージ
- チンチラのケージは背が高めのものがおすすめです。
- 設置場所:静かで直射日光が当たらず、エアコンで温度調整できる場所が理想です
- ケージ内のアイテム
- 木製のステップ
- 床材(牧草など)
- 隠れ家
チンチラの食事関連グッズ
チンチラの餌は、チモシーなどの牧草とペレットの2種類があります。
バランスよく与えることができるように、餌入れを2種類使えるようなものを選ぶようにするといいですよ。
また、給水器は齧っても問題ないように丈夫なものを使用するようにしましょう。
性格によっては、ボトルから飲まない子もいるため、お迎えした場所で使っていた同じタイプのものを使うといいですよ。
餌 | ¥4,000〜¥6,000 |
餌入れ | ¥1,000〜¥2,000 |
給水器 | ¥1,000〜¥3,000 |
トイレ関連グッズ
性格によっては、トイレのしつけが可能です。
トイレ用の砂は誤食した時のために、植物性由来のペレットを使うことがおすすめです。
料金目安 | |
---|---|
トイレ | 2,000〜5,000円 |
トイレの砂 | 33kg/2,000〜3,0000円 |
お手入れ・ケア用品
清潔に保つために、適度にブラッシングや爪切り砂浴びなどが必要になります。
特に、砂浴びは重要で、日本チンチラ協会によると、
出来るだけ新しく綺麗な砂を使い少なくとも1日1回はさせてあげましょう。
一般社団法人 日本チンチラ協会
個体差はありますが、1回に3~15分くらいかけて砂浴びをします。
と書かれており、チンチラにとってとても重要なことになります。
砂浴びセット | ¥4,000〜¥6,000 (砂は1袋あたり¥6,00〜¥1,000程度) |
ブラシ | ¥1,000〜¥1,500 |
爪切り | ¥1,000ほど |
その他の必需品
そのほかにも、齧るためおもちゃや病院に連れていくためのキャリーケース、季節もの必要なものがあります。
- 齧るための木製おもちゃ
- 移動用キャリーケース
- 温湿度計
- 夏は冷却グッズ、冬は保温対策用品
チンチラをいよいよお迎え!最初の数日間の過ごし方
お迎え前の準備→お迎え当日→数日間の大切な時期の過ごし方
をお伝えします。
お迎え前に準備しておくこと
お迎えする前に、飼育環境を整えておきましょう。
最低限、ケージ、ケージ内のアイテム、食事器具、キャリー、トイレ用品は準備しておきましょう。
お迎え当日の注意点
移動時は、キャリーに布をかけて、振動を最小限にして、移動中のストレスを軽減させてあげることが大切です。
自宅に到着後は、すぐにケージに入れてあげて、2〜3日触れ合ったりせず、様子を見るようにしましょう。
新しい環境に慣れてもらうためには?
お迎えしたばかりの時は、できるだけ、光や物音を控えて静かな環境になるように心がけてあげましょう。
すこしずつ、ハウスから出てくるようになってきたら、声かけをしたり、餌を手から上げるなどをして信頼関係を築いていきましょう。
チンチラのサインに気付こう!
チンチラが警戒している時や怒っている時などの負の感情のときには、以下のような行動が見られます。
- キッキッ」「ギャッギャッ」「グーグー」というような鳴き声を出す
- 家に籠る
- ご飯をたべない
- 尻尾を振る
といった行動が見られます。
反対にリラックスしている時や喜んでいる時などには、以下のような行動が見られます。
- 毛繕いをする
- 甘噛みをする
- 笑顔やウィンク
などがあります。
チンチラのごはんとお世話の基本
チンチラの食事について
チンチラの主食は、ペレットやチモシーと呼ばれる牧草を与えます。
副食やおやつとして、ドライフルーツや野菜を与えたり、市販のビスケットなどがあります。
しかし、おやつの与え過ぎは肥満の原因になったり、
ネギやニラなどの一部の野菜には毒があり、中毒になる可能性があるため、注意しましょう。
餌の頻度は、
- 主食は1日2回
- おやつは1週間に数回
- 水は毎日交換(夏場であれば1日に2回交換する)
ぐらいが適正になります。
チンチラの日々のお手入れ
チンチラは砂浴びが大好きで、健康状態に大きく左右されると言われています。
そのため、できれば毎日、最低でも1週間に3回は砂浴びの時間を作ってあげることが大切です。
ブラッシングも衛生面やコミュニケーションを取る上で必要なことですが、毎日砂浴びをしているなら絶対必要というものではありません。
しかし、赤ちゃんや障がいがある子、砂浴びが嫌いな子、お年寄りのチンチラには、清潔するために必要なものだと言われています。
爪切りは、普通に生活していれば、自然に削れていくので、よほど伸びない限り必要なことではありません。
また、慣れていないと、指を切ってしまう可能性もあるため、気になるようであれば、獣医さんに切ってもらうことをおすすめします。
ケージや飼育環境の掃除
チンチラに限らず、動物を飼っていく上で掃除は必要不可欠です。
ここでは、毎日する掃除と1週間に1回する掃除についてご紹介します。
チンチラの毎日の掃除
毎日する掃除は基本的に以下の3つです。
週1回の掃除
チンチラは基本的に綺麗好きな生き物です。
そのため、ケージ全体も清潔にすることが大切です。
設置しているアイテム全てを一度に洗ってしまうと、自分の臭いがなくなり落ち着かなくなる可能性があるため、全て綺麗にすることは控えましょう。
掃除を決まった時間にしてあげるとチンチラも生活リズムが整います。
そのため、掃除する時間を決めて掃除するようにしましょう。
チンチラのコミュニケーションとしつけ
チンチラと仲良くなるためには?
チンチラと信頼関係を気付いていくには、名前を呼んだり手から餌をあげたりすることが、仲良くなるための一歩です。
無理に抱こうとしたり、こっちから触れようとせず、チンチラから近づいてくるのを待つことが大切です。
触らせてもらえるようになったら、一緒に遊ぶのも効果的です。
ボールやトンネルを使ったり、ブラッシングをしたりしてあげるといいですよ。
チンチラの基本的なしつけ
ペットを飼うときに一番気になるのが、トイレのしつけだと思います。
チンチラのトイレのしつけはおしっこは性格によるが、うんちのしつけはできないと考えてください。
うんちは、チンチラが動けば自然と出ます。
そのため、うんちを決まった場所にすることはできないと言われています。
おしっこは、性格によって決まった場所にする子もいるため、しつけることができる可能性があります。
チンチラの問題行動への対処
チンチラが問題行動をする場合の多くは、ストレスがかかっていることが多くあります。
そのため、飼育環境の改善やコミュニケーションをしっかり取ることが大切です。
チンチラの健康管理と病気のサイト
日頃の健康チェックポイント
毎日のお世話の際に、食欲やうんちの量・形状を見るようにしましょう。
また、体調が悪いと、毛艶が悪くなったり、虚な目をしていたり、篭っている時間が増えることがあります。
チンチラのよくある病気とケガ
チンチラがかかりやすい病気やケガには、次のようなものがあります。
不正咬合 | 臼歯や切歯が異常に伸びてしまうことで、食欲不振や吐き気、体重減少などの症状が現れる病気です。 齧歯類に多い病気で、牧草などの硬い餌の不足や遺伝、ケージの金網を噛むことなどが原因と考えられます。 |
毛球症 | 毛球症は、毛を飲み込んで胃腸内に毛球が溜まり、それが原因で消化器系の問題を引き起こす病気です。 体毛の多いチンチラは注意が必要です。 |
胃腸トラブル | チンチラは神経質な性格なため、ストレスを感じやすく、「消化管うっ滞」という病気を発症しやすい動物です。 原因は、環境の変化などのストレスや、食物繊維の不足などが考えられます。 |
足のけが | チンチラは、骨折をしやすい動物です。 手足がプラプラする、手足をかばう、歩けない、元気がない、食欲がないなどの症状が見られます。 |
熱中症 | チンチラは寒さには比較的強いですが、暑さにはとても弱い動物です。 また、水分補給もあまりしない動物なので、熱中症になりやすい動物といえます。 症状としては食欲が減退し、耳の内側などが赤くなり、息切れを起こします。 重症になると痙攣することもあり、場合によっては脳や心臓などに後遺症が出ることもあるので、注意が必要です。 |
チンチラの病気・怪我の予防のポイント
病気や怪我を予防するために以下のような対策が必要になります。
- 誤飲や落下事故に注意
- ケージの中も安全に保つ
- 排泄物の状態の確認
- 仕草を確認する
チンチラは、エキゾチックアニマルに分類される動物で、動物病院で適切に診察できない可能性があります。
お迎えする前に、事前に確認しておくといざという時に安心してお迎えすることができます。
知っておくと安心!その他のお迎えする時のポイント
温度・湿度管理
チンチラは、高温多湿にかなり弱い動物です。
夏場は、気温は18〜26度、湿度は40%〜60%程度をキープすることが大切です。
そのため冷房は必須です。
そのほかにも、冷感マットなどの対策も行っておきましょう。
反対に寒さには強く、特に気にする必要はないとされています。
しかし、ブリード個体であれば、寒さにも敏感になっている子もいるため、エアコンなどで、必要最低限の対策は行っておくことが大切です。
お留守番させる時の注意点
どうしても、出張などで、お留守番させることがあることもあると思います。
長期間であれば、ペットシッターや信頼できる方に依頼するようにしましょう。
2〜3日程度の短期間であれば、餌・水・砂浴びセットを多めに用意しておきましょう。
脱走防止対策
脱走防止対策は、チンチラの怪我の防止にも繋がるので、ケージの扉のロックや隙間の対策を徹底しましょう。
また、ケージの経年劣化で、隙間ができたりすることもあるため、掃除の時に点検することを心がけましょう。
災害時の備え
緊急時のためにしっかり避難できるようにしておくことが大切です。
飼い主さんが準備がしておくお物は以下の用品になります。
- キャリー
- 水とフード(数日分)
- 砂浴び用の砂
- 避難所の確認
- マイクロチップ登録も検討
ほかにも避難場所がペットOKなのかや預かり場所を見つけておくことも大切です。
多頭飼いを考えている場合
チンチラは野生では、群れで生活しています。
そのため、多頭飼いをしたい!という方もいると思います。
多頭飼いを考えている場合以下の点を踏まえて検討しましょう。
- 相性によっては喧嘩することもある
- 雌雄を飼うと子供ができる可能性がある
- 慎重に判断する
ほかにも、普段から相談できる場所を作っておくと安心して暮らしていくことができます。
おわりに
ふわふわの被毛と愛くるしい行動は、日々の癒しになります。
ペットをお迎えするということは、小さな命と向き合うことで、責任を持って育てる覚悟が大切です。
この記事は、書籍:モルモット・チンチラ・デグーの医学を参考に執筆しています。
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最初は不安もあるかもしれませんが、一歩ずつ理解を深めていきましょう。あなたとチンチラの生活が、素敵なものになりますように!
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