今週も動物愛護週間が始まりました。
愛護習慣の始まりということで、少しかなしいニュースですが、現在の動物虐待の状況についてお伝えします。
動物虐待で逮捕事例は2022年と比べて15件増加
2024年の情報はまだ出ていませんが、2023年の調べによると、2023年の動物虐待による逮捕者数が過去最多の181件で、2022年と比べると15件増加しています。
また、摘発された人数も19人増え、こちらも過去最多の209人となりました。
犬が65件、猫が97件で残り19件はニワトリやハムスター、ウサギやウシ、ウマ、カメやフェレットが虐待されたケースがありました。
そのなかでも、猫が最多で、遺棄が48件、ネグレクトが25件、殺傷が24件
犬に関しては、遺棄が16件、ネグレクトが32件、殺傷が17件という結果になりました。
遺棄 | ネグレクト | 殺傷 | |
---|---|---|---|
犬 | 16件 | 32件 | 17件 |
猫 | 48件 | 25件 | 24件 |
合計 | 64件 | 57件 | 41件 |
ネグレクトというと、いろいろなものがあり、1件の事例につき1つということはなく、不衛生な環境で飼育して、手入れができていない、食料が不十分などといった複数の種類のネグレクトが重なっていることが一般的です。
そのなでもよくあるネグレクトをお伝えしておきますね。
2022年までと比べると、SNS経由で虐待していることが発覚することが多くなり、島根県では牛を飼育する農場で従業員の暴行がSNS投稿により発覚して、書類送検されたという事例もあります。
なぜ?動物虐待が増えてきたの?その理由は?
動物虐待が増えた理由はいくつかあります。
その一部をお伝えします。
といった5つの要因があると言われています。
どうしてこれらが動物虐待が広がる原因になっているのかお伝えします。
動物虐待が増える理由①承認欲求のため
近年特に増えてきたものが承認欲求によることが原因で増えてきています。
SNS等で簡単に誰でも動画や画像を投稿できるようになってしまったため、ペットを利用してフォロワーなど増やそうとする方がいたり、
最近あったもので言うと、鹿を蹴るといった動物の虐待の動画・画像を投稿をして注目を浴びようとしている方が増えてきたことが原因でもあります。
動物の動画・画像を利用してリーチ数を稼ぐこと目的にしてペットを飼い出した方の中にもネグレクト気味で飼育している方がいることも知られています。
動物虐待が増える理由②ペットを飼うことについての責任がない
先ほどのSNSを目的としてペットを飼われる方や、可愛いと言う理由で飼われる方が一定数います。
そう言った方は飼育はせずに、可愛がるだけになってしまったり、買うこと(購入すること)で満足してしまい、お世話をしなくなる方もいます。
こうした方はみなさん、『ペットを命だと思っていない』方が多いです。
そう言う方は意外と身近にいて、私の知り合いにも二人います。
その方が、次々にペットを購入しては誰かにあげたり、飼育環境を整えず飼って、何かの事故に巻き込まれて亡くなったりさせていました。
動物虐待が増える理由③高齢化や経済難
最近では高齢化や経済難が原因で飼育放棄が増えています。
どちらも、ペットを飼い始める前にしっかりと計画をしなかったことが原因で「かわいい」や「かわいそう」といって理由で飼育を始めた結果、体がついていかなくなったり、お金がまらなくなった結果、飼育放棄と言う結果につながってきています。
こうした悩みは近隣の動物愛護センターで解消することが出来る可能性があるのででお問合せくださいね。
ただ、その前にしっかりとした計画を立てることが大切です。
こちらの『ペットを飼う前の心構え』を参考にしてみてください。
動物虐待が増える理由④保護したい気持ち(多頭飼育崩壊)
高齢化や経済難により飼育放棄が増えるなか、その次に多いのが『多頭飼育崩壊』です。
多頭飼育のは金銭面だけでなく、飼育をする労力も相当大変なものになります。
こういった環境の中では、自然とネグレクトや遺棄といったことが行われやすくなります。
こうした多頭飼育をしている方に何度かインタビューをしたことがありますが、
「動物が好きで保護しすぎて手が回らなくなった方」
「動物が管理できずどんどん増えていっている方」
大きく分けるとこの2つのタイプがいると言うことがわかりました。
どちらも、自分が割くことのできる時間やお金などを把握できずに、多頭飼育崩壊が起こっています。
しっかりと計画を立てて、自分の割くことのできるリソースを理解して、自分が最後まで責任をもって飼育できる頭数を飼うように心がけましょう。
動物虐待が増える理由⑤法整備や動物愛護の広がり
動物愛護法自体は、1973年から制定されていましたが、2000年に『動物の保護及び管理に関する法律』問い名前になり、ルールの明記がされるようになりました。
2013年には、飼い主やペット業者の責任や義務が強化され、
2019年には、犬や猫に所有者の情報を記録したマイクロチップ装着を義務付ける事や生後56日以内の犬や猫の販売禁止、殺傷した時の懲役を2年以下から5年以下へ、罰金を200万円から500万円などの厳罰化が行われました。
こうして、現在(2024年)までの間に何度も法改正を行いながら、動物に対する法律やルールの基準が明確になり、これまで虐待事件として扱われなかったものが扱われるようになりました。
また、ペットがコンパニオンアニマル(家族)として扱われるようになってきたため、それまで見て見ぬ振りをされてきたものが浮き彫りになり、近年動物虐待が増加している理由と言われています。
まとめ
こうした背景から近年、動物の虐待数が上昇傾向になります。
こうした動物虐待の事例が発見されるのは、約88%はインターネットや実際に目撃した方の通報により発見されています。
発見者の小さな行動で、動物の虐待が発見されているので、もし身近で見つけた場合は最寄りの動物愛護センターにご相談してくださいね。
これからかペットを飼いたい方や、ペットを扱う仕事につきたいと思っている方は、動物を飼う・預かるということは『命を預かっている』ということを意識してください。
ペットや飼育動物とっては、飼い主さんや管理している人間が全てになります。
そのため、しっかり考えて、最後まで面倒を見るという強い自覚が必要です。
これからペットを飼いたいという方しっかりと知識を身につけることで、自分が飼育できるのかをしっかり把握してからお迎えするようにしましょう。
これからペットをお迎えしようとしている方は、こちらの『ペットを飼う前の心構え』や『それぞれのペットの飼い方』を参考にしてみてくださいね。
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